ポン次郎のプラモ備忘録

「ガンプラは、どんな自由な発想で作ったっていいんだ」 をモットーに、出来の良いものも悪いものも次々公開していく予定です。

閑話休題(閃光のハサウェイ)

・ようやく上映が始まった閃光のハサウェイを見てきました!仕事を終えて近くの映画館まで。Ξとペーネロペーが動くところを見れる日が来るとは夢にも思わず。あっという間の95分でした。

・ダバオのタクシー運転手の「明後日のことは考えられない」というセリフは原作にもあるのですが、この下りがとても考えさせられます。日々の暮らしで精一杯の人に向かって「地球が持たない日が来ているんだ」というシャアやマフティーの考えは高潔すぎて、大衆には通じません。大衆は居住許可証を得るために腐った連邦政府につぎ込む金を稼ぐことしか考えないから、気に入らない特権階級を懲らしめるマフティーには共感しても、マフティーの本当の狙いである地球環境保全の考えに共感はしない。しかし、この会話の後も、ハサウェイは「例外規定があるからだめなんだ」と、その考えを改めるどころか、過激なテロに走っていくのです。

・これは、現代の気候変動対策、化石燃料を一方的に悪とみなす欧州(そして今は米国民主党の)インテリが考えた理想論と重なるように思えます。化石燃料は悪で今後は全て再生可能エネルギーにしないと地球が持たない、という考えはある種マフティーの理想論みたいなもので、欧州インテリの支持は得ても、世界レベルで大衆の支持を得られません。途上国に住まう人々は自分たちの島には石炭や石油を炊き続ける余裕があると考えるのです。そして欧米のグリーン・マフティー達は、化石燃料を正統化する一切の例外規定を問題視して、過激なグリーン・テロを世界に仕掛けるのかもしれません。現代が直面する課題を平成元年に小説にした富野由悠季の凄さを再認識しました。

・書庫の奥から原作を引っ張り出してきました。改めて読んでから、もう一回観に行こうかな。

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